認知症と漢方

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高齢者の増加と伴に認知症の患者さんも増えています。

認知症に対してはなかなか有効な薬がなく、最近漢方薬のひとつである

抑肝散が注目されています。

漢字的には肝を抑える薬という事になりますが、ここでの肝は肝臓ではありません。

漢方的に「肝」とは情緒系や自律神経系を司る機能があり

ここが機能不全となると抑うつ、憂鬱、不眠、イライラ、ヒステリーといった

自律神経失調の症状が現れます。原因として一番多いのがストレスです。

従って抑肝散は本来はストレス系の薬で認知症はその応用といったところです。

抑肝散は柴胡、甘草、白朮、茯苓、当帰、川きゅう、釣藤による七種の生薬より

成っています。柴胡、釣藤は抗うつ、鎮静、鎮痙に働き当帰、川きゅうは

脳血流を増やし脳を活性化します。

認知症に効いても何の不思議もない構成となっています。

特に徘徊、暴行、暴言などの症状には有効と考えられます。

最近の報告で認知症の患者さんに抑肝散を投与したところ睡眠時間が長くなり

REM睡眠(良眠)が増えたという報告がありました。

私も数例の患者さんに抑肝散を使っていますが経過良好です。

一度は試してみる価値がある漢方薬と思います。

余談ですがアリセプトという認知症の薬がありますが、私も何例か使った経験が

ありますが効果の程を実感したことがありません。

こんな薬が何千億円もの売り上げがあるのですから驚きです。

昔アバン、カランという脳の薬がありましたが効果がないということで

製造中止になりました。一瞬の内に何百億円がパーになりました。

なんとも不思議な業界です。

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