漢方ではよく証という言葉を使います。
これは西洋医学の病名にあたります。
西洋医学では血液検査をしたりレントゲンを撮ったりして病名を決めますが、漢方の世界では五感をたよりに証を決めます。
問診してお腹をさわったり舌を見たり脈をとったりして総合的に証を決めます。
そしてこの症状にはこの漢方薬を飲めば治ると診断します。
そしてその漢方薬の名前をつけて〇〇証と診断します。
従って病名は関係なく証により処方することになります。
処方した漢方薬が効かなければ証が間違っていたということになります。
しかしながら同じ症状でも基礎疾患が違えば効き目は全く違うものになります。
例えば同じ全身倦怠感でもストレスからくるものと癌からくるものでは、同じ気虚と診断し補中益気湯を処方してもその効果は全く違います。
高血圧の人に証をとって漢方薬を処方しても血圧が下がるものではありません。
もともと漢方薬で治すような病気ではないのです。
従って病名により漢方薬は限定され効果予測できるのです。
証が正しいとか正しくないとかいう話ではありません。
順序としはまず西洋医学的な診断を下し、次に証を決めることが重要となります。
病名が決まればその病態生理を把握しそれに合う漢方薬を処方するのが合理的と考えています。
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