いろいろな症状や病気に悩んでいる方が多いと思います。
このブログではそういう方達のために漢方を中心とした情報を発信して行きます。
第一回目はむくみについてです。
むくみとは
専門的には浮腫(ふしゅ)と言います。
「大分と浮腫ってますね」とか言います。
医学的には血管の外に水分が漏出した状態です。指で押せばポコッとへこみます。
漢方的には水滞と言い水分の偏在した状態を指します。
原因
- 心臓の機能低下
- 腎臓の機能低下
- 栄養状態が悪い
- 生理的なもの
- 運動不足
- その他
①弁膜症などにより心臓のポンプ機能が低下した状態を心不全と言います。この状態になると全身がむくんできます。肺にも水が貯まるため階段をのぼったりした時に息切れがするようになります。
②腎炎などにより腎臓の濾過機能が落ちるとむくんできます。ひどい場合は透析が必要となります。
③栄養状態が悪いと低蛋白血症のため全身のむくみを生じます。
④心臓、腎臓も異常なく血液検査しても異常ないのにむくむ状態です。女性に多いのがこのタイプです。女性ホルモンが関与している可能性があります。
⑤老人に多く足腰が極端におとろえ運動不足のため下肢にむくみを生じます。
漢方薬による治療
①②は器質的(構造上の問題)な異常のことが多く西洋薬が第一選択となる事が多く漢方薬は補完的となります。
漢方的には④⑤が最もよい適応となります。
生理的なむくみは圧倒的に女性に多く体質的と言えます。
女性ホルモンが関与している可能性があります。漢方薬の第一選択は五苓散です。
ほぼどの様なむくみにも内服可能です。
水分の偏在を是正し尿として体外に排出します。
従って尿量が増えることになります。
冷え性がきつい場合は真武湯がいいでしょう。
女性の場合生理と密接に関係しており生理前に痛みとともにむくむ人も多いです。
このような人には当帰芍薬散がよろしいかと思います。
関節が痛む場合は防己黄耆湯がいい場合があります。
症状により適宜合方します。
老人の運動不足による下肢のむくみは冷えを伴うことが多く漢方的には腎陽虚の状態であり牛車腎気丸の適応となります。
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